The Usual Disclaimers Apply

CGEモデル分析、ときどきDIY&フライトログ(しばしば比率逆転)

論文: The Double Dividend of Agricultural Trade Liberalization










が受理されました。明日にでも死ぬんでしょうか、私、という感じでいろいろ立て続けです。





 何をやったかというと、





目的



 コメ、小麦、トウモロコシ、油料種子の4つの主要作物について、世界各国で生産性が変動する。その経済的影響と、これらに対する自由貿易政策の効果を経済厚生と食料安全保障の観点から分析する。







図はDP版より




  • Tanaka & Hosoe (2011)のコメに対するCGE-Monte Carlo分析を拡張

  • 小麦、トウモロコシ、油料種子についてもMonte Carlo分析

  • 1,000回のドローのうち極端な不作(black swan)も個別に取り上げて分析

  • 静学的世界貿易応用一般均衡モデル

  • 10地域(日本、ロシア、EU、北米、東アジア、豪西州、...等)

  • 12財(コメ、小麦、トウモロコシ、油料種子、精米、...等)

  • 穀物在庫は考えない







データ





  • GTAP 8.1

  • FAOSTATから1993-2008年の生産性変動を推定

  • タイムトレンド項のみの単回帰OLSモデルの残差から

  • 穀物TFPショックを、1,000パタン生成








シナリオ







図はDP版より(凡例が少し違います)


  • 生産性変動(日本のみ、外国のみ、全世界; 1種類の穀物のみ、4種類すべて)

  • 1,000パタンを考えるので、影響・効果(ヒックスの等価変分で経済厚生を測る)は「分布」になる

  • 平均値と分散の変化で評価する








結果





  • 生産性変動自体の影響は、コメだけでなく、トウモロコシと油料種子でも経済厚生の分布の分散を大きく増加させる(平均値の変化はほぼゼロ)

  • 輸入自由化の効果は、コメと小麦で大きく分布の平均を押し上げ、かつ、分散を縮小(二重の配当)

  • 地域的には、日本の生産性変動の影響が大きいので、外国との貿易で平準化を図ることができるメリット大

  • 極端な不作を考えたとしても、貿易自由化は(自由化しない場合に比べて)より高い経済厚生とより大きな食料消費を実現








GAMSプログラム



Table SD(r,i) SD of TFP of crop i in region r


    PDR WHT GRO OSD


JPN 0.079 0.061 0.129 0.232


RUS 0.090 0.102 0.121 0.083


E_U 0.039 0.047 0.051 0.041


NAM 0.032 0.063 0.051 0.056


LAM 0.031 0.057 0.037 0.060


EAS 0.022 0.046 0.050 0.032


SAS 0.033 0.027 0.058 0.069


SEA 0.014 0.057 0.025 0.033


ANZ 0.120 0.252 0.194 0.175


ROW 0.030 0.052 0.043 0.039


;


* Source: author's estimate (TFP=a+b*Time+u) with FAOSTAT 1993-2008// Yield-->TFP: 2004=1.00





Option Seed=1;


mean=1;


*TFP shock multiplier: tfp_mult(i,r) for sensitivity analysis purpose


Loop(t, RN(i,r,t)=normal(mean, tfp_mult(i,r)*SD(r,i)););








参考文献