The Usual Disclaimers Apply

CGEモデル分析、ときどきDIY&フライトログ(しばしば比率逆転)

理論なき計測

消費税率と消費量(指数)の2つの変数ですべてが語れるように見えてしまう、という時点で警戒フラグが立つわけですが、見せかけの相関の可能性をまったく排除できていない回帰式。理論なき計測の典型。



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もちろん、消費税の景気下押し効果については一般に否定しないが、たとえば、






にあるように、カジュアルに計測するかぎりで(さえ)も、せいぜい半年程度。



(もっとカッチリした分析がどこかにあるはずだけれども、面倒なので。まあ、齋藤先生のやつなら間違いないでしょうということで。まじめに探すならEconLitからだが、wikiにもいろいろ書いてあったので、必要ならそちらをどうぞ。)



とはいえ、一連のつぶやきに出てくる以下のグラフは、情報としては興味深い。(最近2年分はそれを下回っているものの)2013年の消費水準は、バブル前の消費水準と同じ。バブル期の消費水準を「まとも」と考える人はあまりいないだろうから、「平時」に戻ったということか。つまり、「どんどん貧しくなるという不満は、「バブル期は良かった」ということ(?) まあ、それも国民の声ではございましょうが...。

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税率のカラフルな点線もミスリーディング。正確に(...この方がそうなっていると私は思うが...)描くとずいぶんと印象が違う。(ただし、消費データは暦年、消費税率は4月導入なので年度。)









なお、上の上の図では単身者が入っていないので、2000年以降の四半期データから描き起こしてみるとこんな感じ。





単身者の減り方の方が急。




図表の元データ










データソース


家計調査(基準年が2015年に更新)




なお、世帯人員と年齢を調整済みなので、核家族化・単身者の増加や、高齢化の影響はある程度はコントロールされているはず。(「単身者」(等)の中身、つまり、どんな人が単身者になるかについては変化することに注意。)