The Usual Disclaimers Apply

CGEモデル分析、ときどきDIY&フライトログ(しばしば比率逆転)

GTAP2018@CTG

はるばる来たぜ南米ぃ~♪今回は長旅、疲れ果てて、かなりキツい。いくつかは、あとで知り合いの先生にセッションの内容を確認する羽目に。それでも来て良かった。






Melitzモデルの2つのパラ、企業の生産性分布のパレート分布のシェイプk(本文中ではγ)とバラエティ間の代替の弾力性σを一括して同じデータセットから推定する方法。多くのCGEモデル研究(含Hosoe(2018))では、一部を別の研究から借りてくる。たとえば、Bernard et al. (2007)からσを、Balistreri et al. (2011)からkを、というように。あるいは、自ら推定する場合でも、両方を同時に推定することはない。ここでは、企業の規模分布(生産性分布ではない)のシェイプζを推定し、TFP分布のkは通常通り推定した上で、ζ=k/(σ-1)という関係から、σも導き出すことを提案している。データはUSの自動車・自動車部品企業の個票データ(元標本70)。生産性分布の裾が冪分布に従うことを考えて、目で見て、そこからいくつかマージナルなものを落とす。ただし結果は、うまくいっていない。Melitzの枠組みを使うためにはk>σ-1でなければならないのだが、ζ<1(⇔k<σ-1)となってしまっている。1つには小標本のせいか。




貿易自由化の影響をなるべくたくさんの国についてシミュレーションし、それを、各国の家計調査データにぶつけてマイクロ・シミュレーションする。自由化で不平等を拡大する国もあれば、縮小する国もあることを示す。Atkinson(1970)の社会厚生関数を使って、trade-offを論じる。家計所得のうち資本所得を無視するとか大胆なことはしているが興味深い。最後のところは考えさせられる。経済学で考えるような目的関数(に多少バリエーションを加えたとしても)とは違うもので意志決定されているんじゃないか、と(それは十分あり得るんだけどね、もちろん)。






すべてのBrexitセッションに出たわけではないが、研究としてはあらかた収束している。基本的に、枝葉の問題(e.g., EU周辺国にとっての影響)が出てきているので、関心や必要性は低くなっているということらし。ここからさらに投資しても収穫はあまり大きくない感じ。先年のEconomic Modellingの論文でオチをつけておいた良かった。






つい先日出た彼らの本(カートには入れたがまだ買ってなかった)の第7章。すぐには何をやっているのかよくわからなかったが、やはり、ちょっと奇妙なことをやっているらしく、そりゃわからんわ、という感じ。真に受けて深掘りするのはやめにした。どうも、CGEモデルは一貫してArmingtonで解き、その均衡に対応したMelitz的な構造を持つサブモジュールを解くことで、extensive marginを計算する、というものの由。




参考