The Usual Disclaimers Apply

CGEモデル分析、ときどきDIY&フライトログ(しばしば比率逆転)

Paretoのkとバラエティ間の代替の弾力性σを探す旅...の途中で寄り道







 最近いろいろ話題なので読んでみた。数多くのケースが紹介されている。ただし、大半は自然科学系。したがって、ラボ(チーム)による研究活動がしばしば前提になっている。一方、自分はだいたい1人で研究することが多いので、学生を指導するときに参考に。






 講演資料を見ると話の筋が大体わかるが、重要なのは、本の第2章の「事例集」。(100ページ以上になるので、サブセクションが欲しいところ。)




感想・要点等




研究不正には、



  1. ボスが自ら不正をするか、部下(若手)に不正を指示、ないし、仕向ける(トップダウン)

  2. 部下(若手)が自ら不正に手を染める(ボトムアップ)




の2タイプがあり、それぞれに対応策は異なるはず。




 平気で不正をする人がいる(サイコパス、ってやつですか?)。もうこれはどうにも止めようがない







p.23, https://www.jsps.go.jp/j-kousei/data/2015_3.pdf

(本の図7-6, p. 260とエッセンスは同じ)

第1章で「誠実で責任ある研究」が語られていて、これだけ(順番上仕方がないが)読むと、「ご高説ごもっとも。しかし、実際にどうすればいいわけ?」と思ってしまう(良くない態度だけど)。しかし、一連の事例を含めて、最後まで読んだ後にここに戻ってくると、「(現状では)やはり、これしかないよな」と思う(思わざるを得ない)。



 不正をするのはごく一部、かつ、その一部が大量に不正を働く。データからは冪法則に従うとか。



 「事例に出てくる日本人については、原則イニシャルにする」(pp. 13-14)というのは1つの見識




 最近、何かと吊し上げる風潮があるので(研究に限らずいろいろありましたね)、こういう配慮・冷静さは重要。あくまでも科学が大事なんだから。









参考文献





 どこかで見たことがある著者だと思ったら、法人化について調べていてこれを読んだことがあった。