The Usual Disclaimers Apply

CGEモデル分析、ときどきDIY&フライトログ(しばしば比率逆転)

あたらしい電気料金

 これまで電力関係で


と、電力市場のシミュレーションや価格弾力性、電気料金分析といろいろ書いてきました。思えば、遡って、


の辺りで、道がCGEと電力2つに分かれてきたのでした。



 自分を研究者としてどう位置づけるにせよ、この4月からの自由化に、我が家として対応が必要になります。ということで、研究と実益を兼ねて調べてみました。スペックは、



  • 従量電灯B

  • 60A

  • 東電管内




です。我が家はボトムが300kWh、ピークが800kWhで、毎度電気家計簿では「頑張りましょう」です(涙)。



 さっそく価格.comからいってみましょう。お気楽にさきほどのスペックを突っ込んで上から選ぶというのも良いのですが、念のため、料金表を確認しておきます。(以下、間違ってたらごめんなさい。) ついでに、auでんきも調べて追加しておきました。






































































会社・プラン基本料金(60A)~120kWh

(東ガスは~140kWh)
120~300kWh

(東ガスは140~350kWh)
300kWh~

(東ガスは350kWh~)
ミツウロコグリーンエネルギー 東京標準プラン1,684.8021.4322.6325.24
ENEOSでんき Aプラン(10A~60A)1,684.8020.7623.2625.75
東京ガス ずっとも電気1(30A~60A)「ガス・電気セット割」(基本料金-270円)1,414.8023.2423.4525.93
イーレックス・スパーク・マーケティング 従量電灯B(関東エリア、60A)1,676.4019.3524.3627.24
東燃ゼネラル石油 従量電灯B(60A)1,583.7118.2624.3628.13
HTBエナジー H.I.S. 従量電灯B(関東地方)1,600.5618.4524.6228.44
TEPCOスタンダードS1,684.8023.4023.4030.02
TEPCO従量電灯B1,684.8019.4325.9129.93
auでんきM(TEPCOエリア, 6/1~)1,684.8019.5125.9930.01



注: TEPCO以外は燃調-1.96円/kWh、TEPCO従来契約は-2.78円/kWh(2016年4月)(なんかこの辺、比較対象が正しくないかも)。スタンダードSは0.5%ポイント還元。HTBは契約解除料9,720円、
auは同2,000円(12ヶ月以内の場合)。ほかは、契約期間「なし」か「12ヶ月」だが、契約解除料無し。TEPCO&東ガス、auには最低月額あり。auは、諸税・燃調部分以外についてセット割りで1~5%au Wallet還元。その他FIT等無視。価格はすべて税込み(8%)。



 イーレックスは「JCBギフト券5,000円分キャッシュバック」(どこが「キャッシュ」やねんとは思いますが)があります。ENEOSも今だけ初月2,000円オフとか。契約期間が12ヶ月(縛り?)で解除料が発生するのがHTBau。いかにも、「キャンセル料」という感じ。契約解除料は、よくよく調べないと結局損をする可能性があるので注意。とくに、最初の数年はいろいろメニューが出てきて、顧客の争奪戦が発生するだろうから、こちらとしても、ホッピングしたくなる。ミツウロコは「ちびまる子ちゃんポーチ」と、な、なんて魅力的な(棒読み)。



 本当は時間帯・曜日別料金も調べるべきかと思いますが、面倒くさいのと、比較のために使うデータ(毎時の電力消費)がないので省略。



 まあ、これだけ見てもワカランよね、ということでグラフ化。縦軸は月額電気料金(ただし原燃費調整と最低月額は無視)、横軸は月間消費電力量(kWh)。水準で見ると、そんなに各社間で違う気はしないが、やはり(このメニューだからか)TEPCOは高い。(ただし、燃調が1.96 vs. 2.78で結構違う...何か見落としている?)



 わかりやすくするために、TEPCO(S)料金からの差額で見たのが下のグラフ。TEPCOが「電気のご使用量が少ない場合は、現在ご契約いただいているプランより割高になることがあります。」と自信を持っておすすめしないだけあって、新料金は旧料金に一貫して負けています。(誰が作ったの?)



 まあ、当然に新電力から選ぶのですが、消費量が十分少なければ(<300kWh)東燃ゼネラルかHTBauはセット割りにしてもちょっと魅力に欠ける様子。さらに、ここでは面倒なので一律5%引きにしていますが、支払いが5,000円未満(=大体150kWhぐらい?)は1%引き、8,000円未満(300kWhぐらい?)は3%引きなので注意。au Walletの使いでも必ずしも良くないので。(さらに、セット割りなしにau電気を選択する理由はまったくなし。)



 ただし、そうそう頻繁に季節ごと、あるいは、毎月電力会社を変えるわけにはいきませんから(年間を通して)どうなるかを考える必要があります。たとえば、2015年3月から2016年2月の電気家計簿からは、




  • お住まいの地域のよく似たご家庭: 332-596kWh

  • お住まいの地域の省エネ上手なご家庭: 239-396kWh








です。(ところで、意外なことに(?)、我が家も含めて、いずれも冬ピーク。)



 >300kWh(=「頑張りましょう」の我が家)なら、ミツウロコENEOS、あるいは、東ガスのセット割りということでしょうか。とくに東ガスのセット割りは、割引が絶妙に効いていて400kWhを超えた辺りでピタリとライバルに肉薄します。









 イーレックスは、どちらのマーケット・セグメントでも中途半端だけれども、5,000円のJCBギフト券(12ヶ月で割るなら400円ちょっと)があれば400kWh以下の領域で何とかやれるかという感じ。(というか、そうなるようにギフト券が設定されているんでしょう。)スイッチングの頻度次第でしょう。ADSLで何度かこれをやりましたが、結構面倒くさい。





 ということで、「新電力は大口家庭ほどお得」ということをよく聞きますが、調べてみると、2つのマーケット・セグメントに分かれていて、それぞれ別の事業者がターゲットを絞った価格スケジュールを用意しているようです。契約理論、オークション理論、あるいは、立地論の復習。競争の結果、「まあそうなるな」、ということでした。



 で、ミツウロコに事前予約してみました。あと1ヶ月を切っていて、本申込を受け付けていないとは、何という周到さにはほど遠い準備のなさ...。